顎二腹筋の痛み

こんにちは鍼灸師の奥野です。

いわゆる顎関節症の痛みは、顎関節や咬筋だけに限られるものではありません。
耳の下の顎骨のすぐ後ろあたりが痛くなったり、開口時に顎が外れそうな違和感が出ることもあります。それは顎ニ腹筋の過緊張が原因かもしれません。

●顎関節症の分類を見て見ますと‥
顎関節症は、病変の所在部位によって、咀嚼筋の障害を示す「筋性」と、下顎窩、関節円板、下顎頭、関節包など関節に障害のある「関節性」の二つに大別することができます。
具体的には‥
・咀嚼筋痛障害【Ⅰ型】
・顎関節痛障害【Ⅱ型】
・顎関節円板障害【Ⅲ型】
・変形性顎関節症【Ⅳ型】
に分類されています。

咀嚼筋痛障害【Ⅰ】
ここで「咀嚼筋痛」は、口を開け閉めする運動や食べ物を咬んだり、咬みしめた時に発生する「運動時痛」を指します。自発痛や圧痛だけでは当たりません。
「咀嚼筋」として対象となる筋肉はまず「咬筋」と「側頭筋」、そして「外側翼突筋」と「内側翼突筋」の四種四対の筋肉です。さらに開口筋に属する「顎二腹筋」も含まれています。

●顎ニ腹筋とは…?

顎二腹筋は舌骨に繋がる細長い中間の腱を挟み、前腹と後腹に分かれています。
前腹は舌骨を前上方に、後腹は後上方へ挙上し、舌骨固定時には下顎骨を後下方に引く作用を持っています。
ひとつの筋として命名されていますが、前腹と後腹では発生学的な由来が異なり別の神経に支配される珍しい筋です。前腹は通常三叉神経の枝である顎舌骨筋神経に、また後腹は通常顔面神経に支配されて複雑な指揮系統にあるので運動時の機能障害も起きやすいと考えられます。
このように顎ニ腹筋は、舌骨が固定されている時は開口のため下顎を後下方に引き寄せるように働き、物を飲み込む嚥下時は舌骨を挙上することから、舌骨の状態に大きく影響を受けています。

●舌骨上筋群と舌骨下筋群の関係
舌骨の位置が重要となりますが、顎ニ腹筋を含む舌骨上筋群が舌骨を上方に引き上げる作用をもっているのに対して、舌骨下筋群は引き下げる作用を持っています。
舌骨下筋群は舌骨を下に引くことで、舌骨の安定性を提供していると考えられます。
一方で、舌骨下筋群が過剰に収縮してしまうことで舌骨を引き下げすぎてしまい、舌骨上筋群も緊張をさせてしまう場合があります。
そして舌骨下筋群は姿勢から受ける影響も強く、短縮・過剰収縮をしてしまいがちですので、不必要な緊張を抑制させる必要があります。
 
 舌骨下筋群は甲状舌骨筋・胸骨舌骨筋・肩甲舌骨筋・胸骨甲状筋からなります。
その中で肩甲舌骨筋に着目をしてみましょう。

 肩甲舌骨筋は肩甲骨と連結をしているので、肩甲骨の位置の変化によって舌骨の位置が影響をうけることになります。
不良姿勢で首や肩甲骨の位置が不良となり、肩甲舌骨筋が過剰に緊張したり・伸張されてしまいます。
すると舌骨を引き下げる作用が強くなるために、対抗する顎ニ腹筋をはじめとする舌骨上筋群に負担がかかり痛みや開口時の違和感が出ることになります。さらに嚥下動作の際の舌骨の挙上を阻害するので誤嚥のリスクが高まります。
 舌骨が下がることで顎下のダブつきも生じてしまうことにもなってしまいます。


また舌骨が下がり顎ニ腹筋が過緊張を起こすと開口がスムーズに行かなくなり、顎関節の関節円板に付着する外側翼突筋に負担が掛かることで顎関節症が重くなることも考えられます。

これが目立たないですが地味に頑張っている顎二腹筋なのです。

二層の歪みをとる

こんにちは、鍼灸師の奥野です。

本日は、二層の歪みについてみていきましょう。

二層の歪みについて

頭蓋と身体の歪みには、深い部分と浅い部分に二層の歪みがあります。

  • 深い部分→フレーム・骨格の代償作用による歪み。
  • 浅い部分→筋・筋膜の代償作用や癒着による歪み。

従って、歪みを取るためにはこれら二層の歪みを考える必要があるのです。

頭蓋部だと、顎関節と舌が一番動きます。特に顎関節は動きが大きく、歪みがあると身体に対しても歪みの代償が大きく出てしまいます。

この顎関節の動きや顎位が、顔のたるみや歪みにも影響していきます。

そして、顎関節の動きや顎位は舌根の影響を受けます。

舌根の沈下→顎位が下がり、広頚筋筋膜などが癒着し、たるみやシワに繋がります。顎顔面や口腔内の筋膜が癒着したところにお肉が乗るので、たるみやシワが出来てしまいます。

そこで顎位や顎軌道などのフレームを整えるだけでなく、口腔内や顎顔面の筋の筋膜の癒着を剥いで癒着を取り除く必要があります。
顎関節の動きと顔の筋筋膜の動きで顔が変わるのです。

そもそもなぜ舌根が下がるか?

姿勢が悪くなることによる表層筋膜ラインの癒着で、舌筋筋膜の属する姿勢維持に関わる深層筋膜ライン(ディープフロントライン)の機能が低下して舌根が下がってしまいます。
筋膜も層になっているので、表層の筋膜の癒着でフレームに当たる深層の筋膜に負担がかかります。

そこでスーパーフィシャルバックラインやスパイラルラインなどの表層の筋膜ラインの癒着を剥がし動きを出す必要があります。特にスパイラルラインの癒着は身体の左右差にもつながってしまいます。
従って、姿勢を良くさせるために、まず表層筋膜ラインの癒着を剥いで貼り直す必要があるのです。

一般的な「前かがみ」になった人‥頭が前に出て、胸が下がり、背中が丸まっているような場合。体重の7分の1の重さのある頭部は、背中の一部の筋によってさらに前に倒れないようにしなければならなくなります。

すると、筋膜は筋に合わせてその長さを変化させ、その変化を持続します。筋膜は早く伸ばすと裂けてしまいますが、伸張が緩やかだと筋膜は可塑的に変形し、さらにそのまま癒着します。従って、そのような癒着を剥ぎ、「本来の」自然な姿勢で身体を支持するように再配列しなおさなければならないのです。

さつま式歪みの取り方

このように顎位、舌の位置、舌根、顎の開口、噛み合わせなどの深層のフレームからの歪みを矯正してから、表層の筋膜の癒着を剥がして誘導して引き締めることで外と内の歪みを取っていくのがさつま式です。

 

 

顎関節症とめまい、耳鳴りの症状

季節の変わり目はめまい、耳鳴りが多い

こんにちは、鍼灸師の奥野です。
 春のこの時期は、めまいや耳鳴りの症状が出る方が1年で一番多いです。
    気候が不安定で気温差もあり、体の内部環境を一定に保つ恒常性が維持できずに自律神経が不安定になることが多くのきっかけになります。
    程度の差はあると思いますがめまいや耳鳴りで辛い症状をお持ちの方は多いのではないでしょうか?めまいを訴える人の数は、厚生省の国民生活基礎調査では、約240万人にのぼっているとのことです。

   私も最近、めまいになり迷惑かけてしまいましたが‥。臨床医学の勉強で耳鳴りめまいはよくしましたが、実際になってみてその辛さがわかりました。

 

めまいや耳鳴りの原因

 めまい耳鳴りの原因としては多岐に渡りますが、①耳疾患②脳疾患③筋緊張型・自律神経失調型などがあります。
ここで顎関節症と関係があるのが③の筋緊張型・自律神経失調型になります。
 耳は外耳・中耳・内耳に分かれています。内耳神経は脳神経の1つで脳に直結している重要な神経です。内耳神経は蝸牛神経と前庭神経に分かれて、それぞれ聴覚と平衡感覚を司っています。
    従って、これらの神経や接続する三半規管や蝸牛といった感覚受容器のちょっとしたバランスが崩れるだけで、症状が出ることになります。


 《からだの平衡をつかさどる器官には三半規管、耳石器、前庭神経、脳幹、視床、大脳皮質があります。このどの場所が障害されてもめまいがおこります。
    三半規管は体の動きをとらえる器官で、回転などの動きを鋭敏にキャッチします。耳石器は加速度や重力をとらえる器官です。三半規管と耳石器でキャッチした体の信号は前庭神経で脳幹へ伝えられます。前庭神経が障害されると、強い回転性のめまいがおこります。
    耳鳴りのメカニズムについても、まだ完全には解明されていません。しかし、音の振動が伝わる外耳→中耳→内耳の蝸牛→聴神経→脳というルートのどこかに異常が生じることで、耳鳴りが起こると推測されています。》

 ただし、めまい・耳鳴りは原因がはっきりしているものだけではなく、特定の原因が分かりにくいことが多いのが問題です。病院でも、異常無しと言われ辛さがわかってもらえない難しさがあります。

 

顎関節症との関係

 耳鳴り・めまいには色々な原因考えられ、脳疾患や動脈硬化による神経圧迫等も稀にあります。なのでまず耳鼻科や脳外科などの病院で診てもらう必要があります。 それでも特定の原因がわからず、わかっても症状が安定しにくい方は自律神経の乱れや、それに伴う筋緊張も影響していると思われます。
 そして、顎関節症の場合、このような筋緊張型・自律神経失調型のめまい・耳鳴りが伴うことが考えられます。

 まず顎関節は受け皿となる側頭骨と下顎骨からの関節突起から出来ています。側頭骨には中耳と内耳が入って、そこには平衡感覚の受容器である三半規管や聴覚の受容器である蝸牛があり、咽頭につながる耳管で中耳の圧調整を行っています。
 強い食いしばりによって顎関節に負担が掛かると顎関節症だけでなく、耳管も圧迫され中耳の圧調整がうまくいかずにめまい・耳鳴りの症状が出ることが考えられます。
 また咀嚼筋の異常緊張に伴い、同じ下顎神経支配である鼓膜張筋や口蓋帆張筋の緊張も異常になり、中耳に圧変化が生じる原因ともなります。音量の調整もしている鼓膜張筋の緊張で耳鳴りの原因にもなります。
 さらに、食いしばりにより下顎骨関節突起が後上方へ偏位して耳介側頭神経を機械的に刺激してしまうと、付属している耳神経節に入り込む副交感神経と交感神経のバランスが崩れて自律神経が失調し易くなります。特に交感神経が優位になり過ぎてしまうと、さらに筋緊張が高まり、また内耳・脳幹の血流に左右差も生じめまいが発症することも考えられます。

 このように食いしばりや顎の調子が悪くめまいや耳鳴りある場合には、さつまでの矯正で顎関節周囲の筋緊張を解き、自律神経を整えて改善のお手伝いさせていただけます。

鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師 奥野 哲也

鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師

奥野 哲也(おくの てつや) 


Cranifacial Design Seminar1                                                        顎顔面咬合矯正3D筋膜デザイン認定
下顎骨矯正認定
上顎骨矯正認定
顔面骨誘導認定
Facialmilking Ajustment 認定
骨格骨盤矯正Seminar1
骨盤矯正認定
O脚矯正認定
足底アーチ矯正認定
筋骨格形成固定包帯法認定
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<<資格>>

宅地建物取引主任者資格試験合格

2級カラーコーディネーター


中央大学法学部法律学科卒業

日本鍼灸理療専門学校卒業

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