顎の痛みやクリック音、ありませんか?
最近、顎の調子が悪いと来院される患者さまが多いです。
それもそのはず、特に女性の約7割が顎関節に問題があると言われています。
顎関節症の主な症状として..
・両側または片側の顎関節部の疼痛。
・クリック音などの関節雑音。
・開口障害や下顎の運動障害。
‥などがあげられます。
顎関節症の分類
このような顎関節症と言っても、症状や原因によりいくつかに分類されています(顎関節症学会による)。
①I型:咀嚼筋障害‥咀嚼筋障害を主徴侯としたもの
②II型:関節包・靱帯障害‥円板後部組織・関節包・靱帯の慢性外傷性病変を主徴侯としたもの
③III型:関節円板障害‥関節円板の異常を主徴侯としたもの
④IV型:変形性関節症
⑤V型:その他,I~IV型に該当しないもの
少し細かいので、簡単に大別すると‥
・咀嚼筋(咬筋、側頭筋、内側翼突筋、外側翼突筋)に問題がある、筋性の顎関節症。
・顎関節部に問題がある、関節性の顎関節症。
の2タイプに別れています。
顎関節症III型について
顎関節症の主訴の中でよく耳にするのが関節音..いわゆるクリック音(パキパキ、カクカク、ジャリジャリ)や、開口障害などがあります。
人と原因によって多岐にわたりますが、このような場合下顎頭と関節窩の間でクッションの役割をする関節円板がうまく機能していないことが考えられます。
関節円板の異常が原因となる場合、これは顎関節部に問題があるタイプで、前述の顎関節症III型と分類されています。
この顎関節症III型を、さらに細かく分けると..
a:関節円板の復位を伴うもの(復位性)
前方に転位した関節円板が、下顎頭の前方滑走時に元の位置に戻る場合で、関節頭が関節円板の後部肥厚帯を乗 り越える際にクリック音が鳴ってしまいます。
b:関節円板の復位を伴わないもの(非復位性)
前方に転位した関節円板が、下顎頭の前方滑走時に元の位置に戻れない場合で、この場合は関節円板の後部肥厚帯が障害となって開口障害が出てしまいます。
簡単に言うと、いずれも関節円板が前方に転移しており、関節円板の動きが悪く引っかかってしまい、機能を果たせていなくなっています。
原因と改善について
咬合(噛み合わせ)の異常が顎関節症の主原因とされてきた時もありましたが、今は複合的に上下歯列の接触癖(TCH)、歯ぎしり( ブラキシズム)や、くいしばり(クレンチング)が強く関係していると考えられています。 さらに頭頸部の不良姿勢、片側咀嚼や頬杖をつくといった癖なども関連しています。
そして、咀嚼筋の過度の緊張によって顎関節部に負荷がかかり続けると、関節包炎、滑膜炎といった顎関節痛障害や、関節円板障害が発生し、最終的には変形性顎関節症という骨や軟骨の器質的破壊に至ってしまい下顎骨自体の変形につながります。
筋性の顎関節症には、歯の接触癖(TCH)、歯ぎしり( ブラキシズム)や、くいしばり(クレンチング) によって活動が亢進した咬筋、側頭筋、内側翼突筋の緊張を除去する事で痛みや開口障害を改善出来ます。
関節性の顎関節症にも、上記の筋の緊張を取ることがまず必要ですが、 それに加えて関節円板の前方転位による開口障害や関節雑音に対しては、外側翼突筋や関節円板後部線維にアプローチする必要があります。
ここで、外側翼突筋は関節円板に停止する上頭と下顎頭に停止する下頭からなります。 下頭は開口運動時に下頭を前方に動かすのに対して、上頭は噛み締めた際に活動します。
そのため、くいしばりが強いと、外側翼突筋上頭が関節円板を強く引っ張り前方転位させるおそれがあります。
その結果、開口時に関節円板が引っかかりクリック音が出たり開口制限などが出てしまうのです。
外側翼突筋の緊張が取れると関節円板の前方転位が改善して、関節雑音は小さくなり開口障害や運動障害の改善も期待できます。
また、顎関節の位置する頭蓋骨は足関節、膝関節、股関節を経由し、骨盤から尾骨、腰椎、胸椎、頚椎に乗りかかるような配置です。それらの位置が乱れることにより、姿勢が乱れバランスを崩してしまいます。
当院の頭蓋矯正では、骨盤(尾骨、仙骨、腸骨)と頭蓋(後頭骨、蝶形骨、側頭骨)を整え、次に顎位の調整する事で咬合(噛み合わせ)まで整え、さらにその位置でマウスピースを作りで顎位の補正をすることができます。
このマウスピースでくいしばりなどによる顎関節の負担を解放することにもなり、関節円板の機能を回復させていきます。
当院では鍼を用いて低周波通電を行ない、外側翼突筋のリリースや関節円板のズレの調整にも対応しています。
関節円板のズレは噛み合わせにも影響し、お顔の歪みにつながります。
関節円板の前方転位による開口障害やクリック音を抑制していくことでお顔の歪みや左右差の改善にも効果が出てきます。
当院は、形と症状を同時に回復させます。
当院の顔のデザイン矯正法は顎関節症を回復する技から生まれました。顎のトラブルを持った 患者さんが、見た目が変わった、小顔のなったなどの口コミから始まったのです。
顎関節症は慢性化すると顔が歪み体調も崩します。お早めにご来院ください。
特に歯科や医科で回復しない顎関節症は、顎の関節だけでなく、頭蓋、背骨、尾骨のゆがみの連鎖からおこる全身性疾患の可能性があります。整形外科、歯科や整体で改善がみられなかった方は、是非ご相談ください。