◆顎はぶら下がってバランサーの役割
頭蓋〜脊椎〜仙骨は、相互に一定の動きでバランスを保っています。これらの動きに歪みが生じると身体の不調や痛みの原因になることもあります。さらに、頭蓋の側頭骨には顎関節があり、下顎骨がおさまっています。
下顎骨は顎関節にぶら下がっているような形でバランサーの役割にもなり、身体の歪みがあると顎位や咬合にも影響が出てしまいます。この顎位や咬合のズレはお顔の審美性を損なう原因になります。
したがって、お顔の審美正を回復するには頭蓋から仙骨まで整えて行く必要があります。
<ロベットブラザーズの兄弟椎の考え>
図説 AKのテクニック(エンタプライズ刊)より
ロベットブラザーズの兄弟椎という歪みのパターンがあります。これは、上部脊柱と下部脊柱は同期的に機能しているということを言っています。
簡単にいうと、上にある頚椎が歪めば、下にある腰椎も歪むという相互作用のパターンが認められるというものです。
さらにいうと、「後頭骨」と「仙骨」、「側頭骨」と「腸骨」、「蝶形骨」と「尾骨」というように頭蓋と骨盤とも同期的な連動があるのです。
顎関節は「側頭下顎関節」と言い、側頭骨に下顎の骨がぶら下がるような関節構造になっています。開口時の作業側、平衡側で歪み出るので整える必要があります。また、その側頭骨と骨盤の腸骨とは、連動した関係となります。
すなわち、顎関節の歪みが側頭骨に影響を与え、骨盤の腸骨にも歪みを生じさせる。あるいは、骨盤の腸骨の歪みが側頭骨に影響を与え、顎関節症や顎関節の歪みを引き起こすこともありえる、という相互作用があるのです。
◆ 逃避姿勢
たとえば、腰痛などの身体の痛みから歪みが大きく出てしまうこともあります。
特にギックリ腰などで顕著に出ますが、痛みで腰をかばうような姿勢を取ることで身体の歪みが出てしまうのです。その結果、腰以外の場所にも痛みが出てしまうこともあります。これは逃避姿勢といわれ、痛みが出ないように身体をねじる様な姿勢となり重心も偏ってしまうために全身の歪みにつながります。
そしてロベットブラザーズのチャートからも全身の歪みが出れば頭蓋部、下顎の歪みにも繋がってしまうのです。
◆回避性咀嚼
身体と同じように噛み合わせに早期接触があると一部の負担を回避する咀嚼になり、お顔の歪みにも繋がります。歯を噛み合わせた時、本来はどの歯もほぼ左右同時に接触します。これによって、安定した咀嚼ができるのです。
しかし、噛み合わせに不調和があると、たとえば左右どちらかの奥歯など、ある特定の歯だけが最初に接触することがあります。これを早期接触といいます。このような早期接触があると、咀嚼時に無意識にその歯だけで当たるのを避けるように噛もうとしてしまうことが起こります。これを回避性咀嚼といいます。
回避性咀嚼が続くと、本来の正常な噛み方と異なる動きになるため咀嚼が不安定になります。これは顎関節や咀嚼筋に負担がかかる要因となります。顎の歪みや左右の咀嚼筋のバランスも崩れてフェイスラインの左右差にも繋がります。
早期接触は歯並びなどの不正咬合が原因の場合もありますが、姿勢や顎関節症や噛み癖などが原因のこともありその場合ならばお顔の矯正や身体の矯正で整えることができます。
顎の歪みは身体の歪みと相互に作用するので、お顔と身体の矯正をすることにより矯正の効果を高めていけます。