皆さんこんにちは、院長の粟津です。
今回私が書く内容は噛み合わせ(咬合様式)についてです。
まずなぜこのお題かというと、当院が顎関節(顎位)から噛み合わせをみて、お顔の変化やコントロール(デザイン)をしているからです。
ひとえに噛み合わせといっても分類や種類が沢山あります。
徒手での誘導、変化の可能性についても触れながらいきましょう。
噛み合わせの基準
まず噛み合わせの大前提(標準)のお話しから噛み合わせの基準は大体第一大臼歯(6番)を診ます、正面又は側面からの前後左右の顎位や歯の接地がどうなっているかを評価します。噛み合わせは上下の歯がまず1歯対2歯で当たっているのが通常になります。被さり方は2㎜が理想とされ、目視でいうと大体1/3位が重なり合ってる程度です。
歯の接地面(咬頭)は上の歯の中心窩に下の歯の頬側遠心咬頭が入るのが通常になります。※咬頭や中心窩は簡単に示します↓
お顔の変化が難しいケースの噛み合わせは叢生、交叉咬合(クロスバイト)、鋏状咬合(シザーズバイト)、切端咬合、反対咬合は変化が出にくい、もしくは変化が出るにしても回数と期間が通常よりかかる場合が多いです。
次は噛み合わせと関与のある顎位について触れていきます。
アングルの分類
次はアングルの分類噛み合わせの分類で唯一無二のスケール

顎骨の形状と顎位によって主に分類されており
顎骨の形状(骨格性)の場合:噛み合わせや顔貌の変化はほとんど出ません。
顎位の場合:噛み合わせ、顔貌は十分に変化が望めます。
EX:2級1類の中には口呼吸により特異的な顔貌(アデノイド顔貌)の方もみられ、このタイプの左右差や機能改善は出来るものの、その特徴的な顔貌の劇的な変化は徒手では不可能です。
1級:正常な咬合 ※顔貌:ストレートタイプ
2級1類:いわゆる出っ歯、噛み合わせが深いタイプ。(オーバージェットを伴った過蓋咬合) ※顔貌:コンベックスタイプ
2級2類:2級1類と同じく噛み合わせが深いタイプ。(オーバーバイトを伴った過蓋咬合) ※顔貌:コンベックスタイプ
3級:いわゆる受け口、しゃくれ。(反対咬合) ※顔貌:コンケイブタイプ
歯の並びによる噛み合わせの分類
次は主に歯の並びによる噛み合わせの分類です。

交叉咬合(クロスバイト)、叢生、受け口(反対咬合)、開咬(オープンバイト)、切端咬合、鋏状咬合(シザーズバイト)です。
また表にはないですが、二態咬合(デュアルバイト)というものもあり、噛み合わせが定まっていないものもお顔の誘導(矯正方向)は難しいケースと言えます。

ポッセルトのバナナ(フィギュア)と呼ばれる顎(位)の動きを示すものです。
これはマウスピースを作る(顎位を決める)際の指標としています。
咬合様式による分類
最後に咬合様式による分類です。
①両側性平衡咬合=フルバランスドオクルージョン
咬頭嵌合位において両側が咬合し、また側方運動ににおいても作業側では同名咬頭同士の全ての歯が同時に接触するような咬合。機能上最も良いとされるが現実的(天然歯)にはほとんど起こり得ない咬合様式。
簡単にいうとすべての歯が全運動(顎関節の可動域全て)においても通常通り合わせっている状態。
②片側性平衡咬合=グループファンクションドオクルージョン
咬頭嵌合位から下顎が側方運動を行う時、臼歯部において作業側では上下顎の歯の間に咬合接触が見られるが、平衡側では上下顎の歯が離開している。また、下顎が前方運動を行うとき前歯部では下顎前歯の切縁が上顎前歯の舌面に接触しながら滑走するが臼歯部では上下顎の歯は離開している。
簡単にいうと顎を横にずらした際、ずらした方向側の歯が当たり、反対側は当たらなく、前に出した時は前歯は当たり、奥歯は当たらない。
③臼歯離開咬合
咬頭嵌合位から下顎が側方運動を行う時、作業側では上顎犬歯の舌面と下顎犬歯の遠心切端および下顎第一大臼歯頬側咬頭近心斜面とが接触を保ちながら滑走するがそれ以外の部分では上下顎の歯は離開している。下顎が前方運動を行うとき前歯部では、上顎切歯の舌面と下顎切歯の切縁とが接触を保ちながら滑走するが臼歯部では、上下顎の歯は離開している。また、咬頭嵌合位では上下顎の前歯は僅かに離開している。
簡単にいうと顎を横にずらした際、ずらした方向側の犬歯及び第一大臼歯が接触し、それ以外の歯は当たらない。前に出した時は前歯は当たり、奥歯は当たらない。また噛みこんだ際、前歯は少し隙間がある。
まとめのお話
噛み合わせといっても沢山の種類や分類がなされています。
ひとえに噛み癖が…寝方が…姿勢が…とかで終わる話ではないんです。
噛み合わせ、お顔の変化が望めるのは基本的に顎位性のもので、骨格性や歯自体(歯列)の問題が大きすぎる場合は変化が望めません。
また、当院は検査にもこだわりと知識、検査器具を用意してます。
なので他院、他サロンにはないことしかやっていません。
とにかく興味がある、内容、成果に不安な方は一度検査だけでも良いのでお越しください。