みなさん『scammonの臓器発育曲線』と言う言葉を聞いたことがありますか?
医療系や教育、スポーツなどを学んだ方や子育ての経験がある方は聞いたことがあるかも知れません。
scammonの臓器発育曲線
これは、アメリカの医学、人類学者のスキャモンが1928年に発表したものです。
ヒトが生まれてから成人になるまでの発育量を100%として4つの分類がされていて、器官組織ごとに分けられています。
成長過程には、順序性、方向性、周期性、年代加速現象があります。
この4つのそれぞれの器官組織には成長スピードが異なっていて、一般的に
『神経型』『リンパ型』『一般型』『生殖器型』と呼ばれます。
神経型…脳、脊髄、視覚器、頭径など
6歳くらいまでがピークであり90%近くまで成長し、12歳くらいにはほぼ100%成長
リンパ型…胸腺、リンパ節、リンパ組織など
0歳から12.13歳くらいまでの思春期の頃にはピークがありその後成人の100%レベルまで戻っていく
一般型…身長、体重、骨、筋、血液量、胸腹部臓器(心臓、呼吸器、消化器、脾臓など)
ピークは2回ある
0歳から幼児期までと思春期に大きな成長がある
生殖型…生殖器系の成長
12.13才ごろから急激な発達をする
お顔に関わる顔面骨の部分
この中でやはり注目して行きたいのはお顔に関わる顔面骨の部分です。
組織的な成長の流れをざらっと考えていくと、やはりヒトの生命にとって大切な脳神経の成長は1番最初に大きな成長を遂げます。
そしてそれを守る囲いとなる骨格や筋肉が次に成長していきます。
上顎骨の成長は神経型と一般型の間に分類されています。
だいたい10歳前後がピークになり男女差はありますが、12歳頃には成長は終わります。
下顎骨の成長は一般型に分類されて思春期成長のスパートがかかるところぐらいまでとなり、だいたい女子は15歳頃、男子は18歳頃までで成長の終了といわれています。
下顎は身長の変化と比例して背が伸びる時に大きな成長があります。
身長を伸ばす特徴である手や足の骨の長管骨と下顎骨は発生学的観点からみても同じ成長の経過をたどります。
子供の顔がいわゆる童顔なパターンに丸っこくて、目がクリクリして見えて可愛いお顔立ちなのも、思春期を迎えると急に身長の伸びと同時に面長になって輪郭が急に大人っぽく変化していきます。
下顎はまず、お顔の幅が成長し、次に長さの成長をしていきます。
上顎の成長は幅と奥行きです。
よく、歯列矯正はいつの時期がいいかや、大人の歯列矯正は大変かなどのご質問を受けます。
理論的には、この成長曲線からもわかるように、ヒトのからだの成長のピークや成長終了のタイミングはからだの部位により異なります。
上下顎の成長時期を考慮してアプローチすれば顎の形も成長にあわせて大きく変化させらるので歯列だけ矯正するよりもより審美的な矯正ができると思います。
ですが、成人の方でもいろいろな治療法の選択肢が、あるので諦める必要はありません。
骨リモデリング
あと、HPや今までも他の先生のブログでもお話ししている骨リモデリングと言うからだの大切なメカニズムを使うことができます。
常にヒトのからだでは骨を吸収して壊していくことと同時に、骨を添加して作りかえていくことを行なっているので、だいたい数値に表すと三カ月で10%、一年で100%骨が置き換わるということになります。
さつまでは、そこに指令を与えて骨や軟組織に教育していきます。
成長期の骨格の成長方向や、骨リモデリングの方向などには特徴があるのでそれも考慮しながら矯正をしていくとお顔の整顔に役立つのでスタッフでいろいろ学んで施術に役立てています。
ここまで述べたように、骨の変化量に大きな変化があり、特に矯正力に特別な意味がある『子どもの全身骨格矯正』や産後のホルモン分泌のおかげで、骨化に自由度がある『産後の全身骨格矯正』などのコースもおススメです。
お顔やからだの成長にはこれまでお話ししたように規則性がある順番があります。そこに、その人の骨格性の癖や生活習慣、遺伝的な要素などさまざまな影響が各段階に起こるのです。
その変化をもたらす原因を取り除くべく私たちは日々お体に触れさせてもらっています。
歪んでしまった…かたちが変わってしまった…左右差が出てしまった…などなど患者様のお悩みは様々ですが、その原因を一緒に考えて、元の正しい位置に戻す、あるいは改善することを理論的にお手伝いできればと日々考えております。