こんにちは。
鍼灸師の渡辺です。
今回は睡眠障害である睡眠時無呼吸症候群についてお話しいたします。
今、50代の女性の睡眠時無呼吸症候群が増えています。
睡眠時無呼吸症候群について
女性ホルモンによって、舌を支えるオトガイ舌筋を緊張させ上気道を広げていますが、更年期を迎え女性ホルモンが減少すると、舌沈下がおこりやすく、空気の通り道である上気道を狭めてしまいます。
睡眠時無呼吸症候群は睡眠時に呼吸が停止し、無呼吸の状態になる病気で、
医学的には10秒以上の無呼吸状態が一晩に30回以上、
または、一時間に5回以上あれば、睡眠時無呼吸と言えます。
眠ると四肢の筋肉だけでなく、上気道を構成している筋肉の筋緊張も緩むことになります。とくに仰向けの状態では舌の付け根の部分(舌根)や口蓋垂の周囲の粘膜(軟口蓋)が喉の奥に落ち込んで気道が狭くなってしまいます。
この狭くなった部分に気流が通過すると振動が生じイビキとなります。
出典:日本大学医学部附属板橋病院 睡眠センター
イビキは睡眠時呼吸障害のよい指標であり、イビキのひどさは上気道狭窄の程度を表します。
週に3日以上イビキをかく人(習慣性いびき症)は睡眠時無呼吸症候群の予備群と考えられています。
睡眠時無呼吸症候群の原因として肥満は主要な要因にはなりますが、必ずしも肥満が原因ではなく、肥満以外に舌が大きい、顎が小さい、扁桃肥大、鼻閉、口呼吸などが単独または様々な割合で複合して睡眠時無呼吸を形成します。
肥満は舌根や咽頭に脂肪がたまり、気道を狭くしてしまい睡眠時無呼症候群の最も重要な危険因子になります。
睡眠中に気道が閉塞すると息が苦しくなり、血中の酸素が少なくなります。
脳は血中の酸素が減少すると呼吸を促進する機構を助けるために交感神経の活動を高めます。
交感神経の働きが高くなると睡眠が浅くなり目が覚めやすくなってしまいます。
睡眠時無呼吸症候群は高血圧、不整脈、動脈硬化などを高頻度に合併するために生命予後に影響を与え、睡眠中の呼吸停止(睡眠時無呼吸)に伴う中途覚醒により日中の過剰な眠気、集中力、活動性を低下させます。
交通事故や労働災害の原因となるなど、社会的に大きな問題となっています。
それ以外にもうつ傾向、夜間頻尿、高血圧など多彩な症状や合併症をもたらします。
その他の原因:舌沈下とは
睡眠時無呼吸症候群の原因のひとつに舌沈下がありますが、舌そのものはほとんどが筋肉でできています。
舌沈下は舌やその周辺の筋肉を鍛えることによって予防することができます。
舌の体操などをして舌を鍛えましょう。
そして質の良い睡眠をとるようにしましょう。