「食いしばり」がひと目でわかる口腔内の所見について

こんにちは、歯科医師の伊藤です。

今回は、食いしばりについてお話ししたいと思います。

多くの方は食いしばりについて自覚症状がなく、歯医者さんで指摘された、または家族からに言われて気づいたケースが多いと思います。

特に歯医者さんで指摘された際には、口腔内の特徴的な所見から食いしばりを認めることが多いです。

今回は、食いしばりがひと目でわかる口腔内の所見について説明したいと思います。

1.頬粘膜圧痕

頬の内側、粘膜の中央部に水平方向に白線またはギザギザレース様に線が入るものです。

鏡で粘膜内側を覗いたり、ベロで頬を触ってみても分かると思います。

これは頬上層にある筋肉、主として咬筋が張ることで粘膜を歯方向に押しつけ、粘膜に歯型が印記されたものです。

頬の粘膜は本来、ツルツルで綺麗なのですが、上記の白線がある場合は、食いしばりをしている証拠になります。

2.舌圧痕

舌の縁が王冠のようにギザギザしている。

これは頬粘膜圧痕と同様に食いしばりによって頬から歯に力がかかり、更には歯を介して舌方向に力がかかることで発生します。

内側にかかる力に対して舌が外側に張り出す様に緊張し、舌の縁にギザギザ模様の歯型が印記されるのです。また印記されている歯型は主として下顎の歯であり、舌沈下も併発している場合が多いです。

3.舌沈下

舌圧痕がある場合、舌が下顎側に落ちていることが多く、これを舌沈下といいます。

本来は、舌は上顎に収納されます。猫背や顎引きが強いと舌を上に挙げるのをサポートする舌骨上筋群が上手く使えず、舌が沈下します。

舌沈下が慢性化すると、見た目としてはフェイスラインのもたつきや、二重顎などが顕著になります。

4.骨隆起

骨隆起

名前の通り、骨が隆起する現象です。

好発部位は、上顎口蓋の真ん中に骨の膨らみがある場合や、下顎の歯茎の舌側にポコポコと骨の膨らみが発生します。

悪性のものではないので安心してほしいです。

骨隆起は食いしばりなど過度に噛む力が強い場合のみ発生します。噛む力により顎の骨が撓み、折れる方向に応力がかかります。本能が骨を強固にして噛む力に耐えるために骨を膨隆させるのです。

5.象牙質知覚過敏症

簡単に表現すると、歯がしみることです。

大抵、歯が滲みる場合、歯茎の根本付近に症状が起こることが多いです。

これは、食いしばりにより歯の根本付近が見えないレベルでひび割れているためです。

6.くさび状欠損

上記内容より派生して、歯の根本のひび割れが大きくなると崖崩れのように一塊として崩れ落ちます。

これをくさび状欠損といいます。

知覚過敏症も併発しやすく、また虫歯に対しても抵抗力も落ちます。


 

簡単にいくつか挙げてみましたが、食いしばりが及ぼす口腔内の変化はまだあります。

食いしばりは、自分では気づけず、また対処が難しい習癖です。

本院では、食いしばりに対しても多くの知識や、施術があります。

少しでも興味ある方は、是非お気軽にご相談ください。

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