さつま骨格矯正、歯科医師の伊藤です。
前回のブログでは顎関節症の定義や修飾因子についてお話しをしました。
今回は、顎関節症の分類について日本顎関節学会のガイドラインに準じてお話しようと思います。分類だけでもかなりの情報量になるため2部に分けようと思います。今回は、I型、II型、Ⅳ型について説明します。Ⅲ型については次回説明します。
◆顎関節症の病態分類
1)咀嚼筋痛障害(I型)
咀嚼筋痛障害は,咀嚼筋痛とそれによる機能障害を主徴候とするもので,主症状と しては筋痛,運動時痛,顎運動障害があるとされています。咀嚼筋痛障害の主な病態は局所筋痛と筋・筋膜痛があります。特に筋・筋膜痛が重要であり,局所筋痛は筋・ 筋膜痛の特徴を欠く筋痛であると理解されています。
顎を動かす筋肉の痛み、それはもう顎関節症なのです。
2)顎関節痛障害(II型)
顎関節痛障害は,顎関節痛とそれによる機能障害を主徴候とするもので,顎関節円板障害,変形性顎関節症,内在性外傷(硬固物の無理な咀嚼,大あくび,睡眠時ブラキシズム,咬合異常など)によって顎運動時の顎関節痛や顎運動障害が惹起された病態です。
その主な病変部位は,滑膜,円板後部組織,関節靭帯(主に外側靭帯),関節包であり,それらの炎症や損傷によって生じます。
滑膜は下顎窩軟骨面,関節隆起軟骨面,関節円板を除く顎関節の内面を覆う組織であり,異常な外傷力により滑膜組織が損傷し、炎症(滑膜炎)が生じるとさまざまな発痛物質や発痛増強物質が放出され,滑膜組織に豊富に存在する侵害受容器における侵害受容により顎関節痛が生じる。円板後部組織は,関節円板が前方転位すると負荷が直接加わるようになり,組織損傷とそれに続く炎症により顎関節痛が生じます。また,関節靭帯の損傷や関節包の炎症によっても顎関節痛が生じることがあります。
3)変形性顎関節症(IV型)
退行性病変を主徴候とした病態で,その主病変部位は関節軟骨,関節円板,滑膜,下顎頭,下顎窩にあり,その病理変化は軟骨破壊,肉芽形成,骨吸収,骨添加で挙げられます。
臨床症状としては関節雑音(特にクレピタス:捻髪音:持続時間の長い摩擦音),顎運動障害,顎関節部の痛み(運動時痛,圧痛)のうちいずれか1つ以上の症状を認めます。
非復位性関節円板前方転位を高頻度に認める。関節円板に穿孔や断裂を認めることも多く,進行すると下顎頭,下顎窩,あるいは関節隆起は,骨吸収や骨添加により変形することがあります。
この変形性顎関節症の罹患率は加齢とともに増加する。発症頻度に性差は認められないとされています。
まとめ
以上が顎関節症分類のI型、II型、Ⅳ型になります。
単に顎関節症といっても大きく分けて4つもあるなんて驚きですよね。
顎関節は先天的な変形などが無ければ、食いしばりや歯ぎしりなどの習癖により筋肉や顎関節症状が出ることが多いです。
姿勢の悪さや、頬杖をつくなど身体の習癖も要因になります。
当院では、顎関節および関節に関与する筋肉にアプローチし、過度なストレスを除去することで、顎顔面領域の機能的な回復、並びに審美の向上に努めています。カウンセリングからご予約いただくことも可能ですので、お悩みがある方、興味がある方は是非当院にお越し下さい。
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