矯正理論

TMJ(顎機能全身)マニプレーションとは

当院の「顎機能全身マニプレーション」とは、顎関節の動きに注目して、お顔の歪みや身体のゆがみを整える、当院、独自の徒手矯正法です。

顎関節は顔面頭部で唯一動く関節である

顎関節は、見た目(審美性)を左右する顔面部で唯一動く関節となります。その動きは複雑さと多様性に富んで、最も強いパワーを持ち(体重の1.5倍)、一番動かす関節でもあります(1日2000回~3000回)。従って、顎関節の動きや顎位が、顔の歪みやたるみなどに影響していきます。そして、顎関節の動きや顎位の歪みがあると、身体に対しても歪みの代償が大きく出てしまうことになります。

代償・非代償のパターン

頭蓋と身体の歪みには、深い部分の歪み(フレーム・骨格の代償作用による歪み)と浅い部分の歪み(筋・筋膜の代償作用や癒着による歪み)という、二層の歪みがあります。

さらにフレーム・骨格の歪みを、筋・筋膜で代償することでも歪みが生じ、骨リモデリング(骨の破壊と再生)によってフレーム・骨格自体の形を変えていってしまいます。従って、歪みを取るためにはこれら二層の歪みを考える必要もあります。 

まず大前提として、人の体は必ずゆがむように出来ている事、またそのゆがみは身体全身を使って代償されます。積み木を積み上げる際に1つ右にズレたら、バランスをとるためにその上には左にズラして乗せる必要があります。ジグザグにバランスをとるのです。

人の身体も、喩えば右の骨盤が下がれば左の肩が下がるようにジグザグにバランスをとっています。これを代償パターンと言います。代償パターンは顎位にも及び、代償が大きいとお顔の歪みにも繋がっていきます。この代償パターンがうまく機能していないと(非代償パターン)さらに歪みが大きく出て機能面も損なってしまいます。
 

このような場合はフレームである脊椎の側弯が目立ってしまっている方が多く、代償するため筋膜の動きに左右差が出てしまい身体や顎の機能までも損なわれて大きな歪みが出てしまうのです。お顔の筋膜も引っ張られて左右差が出てしまうのです。

代償・非代償のパターンのイメージ

 

顎関節は1日2000回~3000回動かします

次に、下顎の動きに注目してみます。食事の時には、咀嚼筋が下顎骨を動かすことで食べ物を砕き、すり潰しています。 そのとき、左右の関節頭は下顎本体を介してつながっており、左右の顎関節はどちらかが動くともう一方も連動して動きます。これが、上下前後左右の複雑な動きを生み出すことになります。

咀嚼を行う際、側方に移動して実際に働いている側のことを「作業側」と言います。例えば、左側で咀嚼をしている時には左が作業側、反対側の右が非作業側(平衡側)になります。そして、どちらか片側で咀嚼する癖が強い場合、顎関節は1日2000回~3000回動かすことからも歪みの原因になります。下顎の側方への移動で表情筋が引っ張られると非作業側の方が間延びし、代償で目の高さもズレて、上下方向での左右差が生じてしまいます。


さらに、作業側が左で下顎が左にローテーションして移動する場合は、上顎は右にローテーションすることで代償しようとするので頬の前後方向での左右差も生じます。左頬が前に出て(フロントスライド)、右頬が後ろに(バックスライド)と歪みます。

 

関節円板の変位が顎位に影響する

また、左右の顎関節の複雑な動きを可能にしているのは、その特殊な内部構造です。顎関節には、「関節円板」という繊維状の組織があり、関節頭の外側と内側に靭帯で固定されています。

口を開閉する動作をする際には、前方につながっている外側翼突筋が、関節頭や関節円板、円板の後ろに連なっている「円板後部組織」を一緒に前に動かします。このとき、関節円板は上下の骨の間でクッションのような役割を果たしています。

歪みの原因となる噛み合わせ(咬合)の不正、関節円板のズレ(変位)も顎軌道の歪み、身体の歪みが関与します。

 外側の関節円板は周りに動きを制限するものがほとんどないのでずれやすく、内側の関節円板までも少しずつずれてくると、関節頭の位置の変化を招くことになります。

 

顎関節症(Ⅲ型)

関節円板が前方へずれてしまうことを、関節円板前方転位による顎関節症(Ⅲ型)といい、顎関節症患者の約60~70%に認められます。そして、関節頭の位置の変化が下顎の歯列の位置を変化させ、咬合自体も変わることでお顔の歪みにつながります。

全身の歪みとの関係性

噛み合わせの悪さが続き、適応せざるを得なくなると、リモデリングを繰り返し顎関節の骨の形も変化して大きな歪みが生じます。噛み合わせが悪くなると、上顎の歯に沿って下顎が前後左右上下にズレます。それにより頚椎も下顎に引っ張られていき、それを補正するため頚椎や胸椎や腰椎をねじることで代償して重力に逆らわない姿勢をとります。このねじれによりバランスの取れていた筋・筋膜にもに左右差ができ、全身の歪みとなってしまいます。

 

外側翼突筋の特徴

このように関節円板がずれて顎関節が変化してしまう理由は外側翼突筋の痙攣(スパズム)です。

外側翼突筋は、他の咀嚼筋と違って筋紡錘が非常に少ないという特徴があります。 この筋紡錘の機能は骨格筋の長さの変化をモニターして筋緊張のバランスを取ることにあります。   したがって、外側翼突筋の筋緊張は自動的に調節されにくいことになります。

この結果、通常範囲内の噛む動作以外の過剰な運動や不良姿勢で下顎が不自然な位置に長時間置かれたままの状態を強いられると、筋肉に痙攣が起こるようになります。この痙攣が持続すると関節円板が持続的に引っ張られるようになります。

不良姿勢による噛み合わせの変化や習慣的な歯ぎしりや食いしばり、頬杖をつく、といったクセが原因で外側翼突筋が痙攣を起こしてしまうのです。従ってお顔の歪みをとるには、正しい姿勢を作り顎関節機能を整える必要があります。

前重心(前体重や外反母趾)による歪み

正しい姿勢をするために重要なのが、足の裏の3つのアーチや立ち方です。支持基底面と重心線で姿勢の安定性が決まるのです。足の裏には3つのアーチがあり、3点でショックアブソーバーの役割をして身体を支えています。ここで、悪い姿勢として、多くはお腹を反るような形で爪先側に重心を乗せた「前重心」、それから外側に体重を乗せる「小指体重」の方が多いです。前重心になると横アーチが潰れ、前後2点で身体を支えることになり全身に負担がかかります。するとバランスを取るために足の外側に体重がかかる小指体重となってしまいます。

 

前重心・小指体重で足が底屈しやすくなると、足の他のアーチも崩れて重心が外に逃げてしまいます。すると足底筋膜が働かず、連動する筋膜のラインであるスーパーフィシャルバックラインが機能しなくなります。重心が外に逃げると、肩甲骨の位置が広がり円背となるので首も前に出てしまい、頚椎が引っ張られるだけでなく顎位・舌位が下がりお顔も審美性が損なわれます。

 

そのような前重心からもう少し踵側に重心を乗せた後ろ重心に、小指体重で外に広がった重心を中心にと戻して、スーパーフィシャルバックラインの機能を回復させる事で舌位・顎位を上げることができます。これにより外側翼突筋の負担を減らして顎機能回復させて歪みの原因を取り除いていくことができます。

 

顔のゆがみと全身のゆがみの関係

また、脊椎の1番上に頭蓋の蝶形骨、顎関節と連動する上部頚椎があり、1番下には骨盤、尾骨があります。そして、バランスを取るために外側翼突筋の付着する蝶形骨と尾骨など含め、上と下で各々連動して歪みを生じていきます。
姿勢が悪いと全身でバランスを取っていきますが、尾骨は尻尾の名残で舵取り役をして姿勢の調整を行なっています。悪い姿勢で尾骨がズレていれば、その影響は頭蓋の蝶形骨や下顎にも影響し引っ張られていきます。
開口時に顎が左右にズレる場合も頚椎が引っ張られてローテーションしてしまい歪みが生じますが、それが骨盤や腰椎にも影響していきます。このように頭蓋部の噛み合わせによる癖や骨盤の癖は、連動して全身の歪みとなって固定していきますので、お顔の歪みは全身から診ていかないといけません。

なお、顎関節は脳神経に最も近く、顔面神経(CN-Ⅶ)。内耳神経(CN-Ⅷ)、自立神経では、回復を担う副交感神経、活発性を担う交感神経の上頚神経節に強く影響を与えることが、医学的にも解明されました。

顎関節のゆがみは、顔、身体のゆがみを産み、形を崩し、自立神経を失調させます。

顎関節のゆがみを正し、顔を整え、形を矯正することは、審美性を回復する(整顔効果、小顔効果、リフトアップ効果)だけでなく神経系を整え、回復と活力を向上させます。

画像: 船戸和弥「医学の発展のために」2017/08/02 更新
http://www.anatomy.med.keio.ac.jp/funatoka/anatomy/cranial/cn7.html

当院の顎関節症を回復させるマニュプレーションが、痛みや不調だけでなく、審美性(整顔効果、小顔効果、リフトアップ効果)回復させる事で、全国的に知られることとなりました。審美性と機能性を向上させる、顎機能マニュプレーションを受けて頂き、皆さまの健康と美容、エイジングケアのサポートを責任持って担いたいと考えております。