せっかく骨格のゆがみを整えても、時間が経つと少しずつ元の状態に戻ってしまう。これは、多くの方が気になる「後戻り」の問題です。
後戻りが起こる背景には、人の体にもともと備わっている働きが関係しています。この記事では、後戻りが起こる仕組みと、施術後のよい状態をキープするために日頃から意識していただきたい3つのポイントをご紹介します。
後戻りの原因は「ホメオスタシス」
人の体には、元の状態を保とうとする「ホメオスタシス(恒常性)」という働きが備わっています。
たとえば、軽いけがをしたり風邪をひいたりしても、時間が経てば健康な状態に戻りますよね。これは、ホメオスタシスが働いているからです。
骨格のゆがみも同じです。施術でゆがみを整えても、体は「慣れ親しんだ元の状態」に戻ろうとします。そのため、施術後のよい状態を保つには、日頃のセルフケアがとても大切になります。
後戻りを防ぐ3つのポイント
1. マウスピースを使ったセルフケア

当院では、施術で整えたあごの位置(矯正位)に合わせて、マウスピースを作成しています。
マウスピースで期待できること
噛むための筋肉(咀嚼筋)が硬くなると、表情をつくる筋肉(表情筋)が外側へ引っ張られ、顔が横に広がりやすくなります。マウスピースを装着することで、この引っ張りを抑え、表情筋を立体的な方向へ整えていくことができます。その結果、シワの改善や小顔につながると考えられています。
また、口の開き方やあごの位置を安定させることで、噛む・話すといった機能面と見た目の両方を整え、施術後の状態をキープしやすくなります。
使い方の目安
1回90秒程度の装着を、1日2〜3回行うことをおすすめしています。
「ながらケア」で無理なく続けられる
マウスピースは、次のような日常の動作と一緒に行えます。
- 髪を乾かしながら
- スキンケアをしながら
- 洗い物をしながら
特別な時間をつくらなくてもよいので、お忙しい方にも取り入れやすいセルフケアです。
2. 舌を正しい位置に置く

正しい舌の位置とは
正しい舌の位置は、舌の先が上の前歯のうしろの歯ぐきに触れ、舌全体が上あごにぴったりついている状態です。
舌が下がっているとどうなるか
舌が下がっていると、上下の歯が当たりやすくなります。その結果、食いしばりやエラの張り、顔のゆがみの原因になってしまいます。
さらに、舌の付け根にある骨(舌骨)につながる「舌骨上筋群」という筋肉も下がり、あご下のたるみや二重あごにつながることもあります。
3. 顔の角度を意識する

理想は「カンペル平面」が水平な状態
顔の角度は、鼻の穴と耳の穴を結んだラインが水平になる状態が理想とされています。この基準となる面を「カンペル平面」といいます。
下を向く時間が長い現代の生活に注意
現代は、スマートフォンやパソコンの使用によって、下を向いて過ごす時間が増えています。下を向くと舌が下がりやすくなるため、先ほどご説明した食いしばりやエラの張り、顔のゆがみ、二重あごなどの原因にもなってしまいます。
まとめ
施術後の後戻りは、体が元の状態に戻ろうとする「ホメオスタシス」という働きによって起こります。よい状態をできるだけ長く保つためには、日頃のセルフケアが欠かせません。
セルフケアの方法は症状によってさまざまですが、まずは「マウスピースの装着」「舌の位置」「顔の角度(カンペル平面)」の3つを意識してみてください。どれも日常生活の中で無理なく取り入れられることばかりです。こうした小さな積み重ねが、施術後の状態をキープし、後戻りを防ぐことにつながります。