当院では初めてご来院いただいた際に、正面と左右の3方向からお写真をお撮りし、分析を行っています。
3方向から撮影することで、正面からだけでは分からない立体的なお顔の歪みを把握することができます。歪みを正しく知ることで、どのように施術を進めていくか、施術方針を立てることが可能になります。

お写真はセファロスタンドという撮影器具を使用して撮影します。耳の高さを揃えて撮影するため首の傾きなどの影響を受けず、正確に歪みを検査・分析することができます。
正面からの分析

正面からのお写真では分析線を引き、以下のような左右差を確認します。
- 目、眉
- 口角、ほうれい線
- 顎の偏位
- 顔の横幅
- フェイスライン、エラ
- 斜頸
- こめかみ
これらの分析に加えて、実際の触知や開口時の顎の動きを確認することで、顎関節の動きからくる関節性の歪みや、咀嚼筋・表情筋の使い方からくる筋肉性の歪みを見極め、施術方針を立てていきます。
また、顎の偏位や頸椎の歪みから、連動する骨盤の歪みが分かることもあります。
横顔の分析

- 首の角度
- 顔の奥行き
- 下顎角の大きさ
- 顎下
- Eライン
側貌タイプの分類
横顔には「側貌型」という分類があります。前額部最突出点(グラベラ)、鼻下点(サブナザーレ)、オトガイ部最突出点(ポゴニオン)の3点を結んだ線で診断し、次の3タイプに分けられます。
- コンベックスタイプ(凸顔型)…上顎前突の顎態
- ストレートタイプ(直顔型)
- コンケイブタイプ(凹顔型)…下顎前突の顎態
美しいEラインが出やすいのは、①のコンベックスタイプです。
顎顔面骨格系の9分類

さらに細かい分類として「顎顔面骨格系の分類」があります。縦軸はお顔の垂直的な長さ、横軸は上顎の立体的な前後の突出度を表し、この2軸の組み合わせで9つに分類されます。表の左側は上顎が突出しているタイプです。
特に極端な場合は「アデノイド顔貌」と呼ばれ、口呼吸によって舌根が下がり、下顎の発育不全につながることがあります(左下タイプ)。舌が下がることでフェイスラインが出にくくなりやすく、姿勢も首が前に出やすい傾向があります。
短顔型で噛み合わせが深いタイプ(左上タイプ)は、食いしばりが起こりやすく咬筋が発達しやすい傾向がありますが、ケアによっていつまでも若々しい印象を保つことができます。
医学的には、上顎の成長は10歳ごろまでに終わり、その後は下顎が成長していきます。そのため子どもの顎骨は上顎が大きく下顎が小さく、下顔面が短い(短顔)ことが多く、若々しく可愛らしい印象につながります。
下顎角からわかること
下顎角は120°±10°の範囲にあるのが一般的とされています。この指標から、主にお顔の垂直的な長さやエラの張り方を考察することができます。
下顎角が大きいほど(120°より大きく、特に130°を超える場合など)、骨格的に面長傾向になります。ただし、下顎角が120°台にある場合は骨格的な面長ではなく、姿勢の悪さや舌の位置の低下などが原因で面長に見えていたり、顎の位置が下がっていたりするケースもあります。このような場合は矯正によって改善しやすいといえます。
反対に、下顎角が小さいほど(120°より小さく、特に110°を下回る場合など)、骨格的にエラが張りやすく食いしばりも強くなる傾向があります。ただし下顎角が120°台にある場合は、骨性のエラではなく食いしばりによって咬筋が発達し、エラ張りとして現れていることが多く見られます。この場合はお顔の矯正やセルフケアの指導と合わせて、エラ張りの改善を図ることができます。
まとめ
このように横顔からは多くの情報が得られます。食いしばりが出やすいか、舌が落ち込みやすいか、どこまで改善が見込めるかなど、お顔の傾向や姿勢の癖まで把握できるため、矯正の方向性を判断する重要な手がかりとなります。
こうした分析結果をもとに、お一人おひとりのお顔の特徴に合わせて黄金比をランドマークとしながら、シンメトリーな仕上がりを目指していきます。