こんにちは。鍼灸師の渡辺です。今回私は浮腫み(むくみ)についてお話ししたいと思います。
浮腫って?
浮腫みとは何かというと間質液の水分が過剰に溜まって腫れた状態のことを言います。
※間質液(かんしつえき)とは、多細胞生物の組織において細胞を浸す液体であり、細胞外液のうち血液とリンパ管の中を流れるリンパ液を除く体液である。
ー間質液 wikipediaより引用
それにはまず毛細血管付近での水の移動がどのように行われているかを理解する必要があります。
ここでポイントとなるのが膠質浸透圧と血圧の関係です。
膠質浸透圧と血圧の関係
膠質浸透圧
膠質浸透圧とはアルブミンというタンパク質の濃度によって、水が濃度の薄い方から濃い方へと移動し濃度を一定にする現象のことをいいます。
血液中にはアルブミンというタンパク質が多く流れています。
アルブミンは分子量が大きいので毛細血管の孔をほとんど通過することができません。そのため血管の中の血液中にはアルブミンが多く、血管の外の間質液中にはアルブミンが少ない状態となっています。
液体中の物質は常に濃度を一定にしようとして均一に混ざり合うのが自然な動きなのですが、血管の壁があることによりアルブミンは間質液側にあまり移動ができません。
そこで濃度を一定にするために、水が間質液側から血管側に移動するという力(膠質浸透圧)が働きます。
血圧の関係
次に血圧の関係について説明します。
血管の壁には血管の内側から外側向きにかかる血圧が生じています。
私たちがよく気にしている血圧は心臓から大動脈に勢いよく流れ出た動脈血の値を指し、
正常レベルで80~120mmHg程度ありますが、動脈から細動脈、毛細血管へと進むにつれて血圧は徐々に下がって動脈側の毛細血管の血圧は35mmHg程度になります。
静脈側の毛細血管となると血圧は15mmHgまで低下します。
これに対し、膠質浸透圧は血液中のアルブミン濃度が動脈側でも静脈側でほぼ一定で25mmHgで安定しています。
血圧と膠質浸透圧との間に場所によって差が生まれ、水や物質の流れる方向が変わるのです。
動脈を通って動脈側の毛細血管まで運ばれた酸素や分子量の小さい糖やアミノ酸、脂質、電解質などの栄養素は、膠質浸透圧より血圧の方が強いため、水の移動とともに血管内から間質液側に移動し細胞に取り込まれます。
細胞から間質液に排出された二酸化炭素や不要となった老廃物は、静脈側の毛細血管では血圧より膠質浸透圧の方が強いため、水の移動とともに間質液から血管の中に吸収されていきます。
毛細血管で回収しきれなかった余分な水分、老廃物、細菌、ウイルスなどは毛細リンパ管に吸収されます。
このように血管~間質液~リンパ管の間で水分の出し入れが上手く調節されて恒常性を維持していますが、異常が生じて間質液の水分が過剰に溜まってしまうことがあります。
これが浮腫(むくみ)です。
むくみが何日も続くようであれば、肝臓、腎臓、心臓などの病気を疑うことになりますが、立ち仕事やデスクワークが続き、血流が滞ることによっておこる一過性のむくみはあまり心配することはありません。
身体の歪みが改善されるとむくみやすい体質も改善されることがあります。
さつま式全身矯正の施術、一度受けてみてはいかがですか?