慢性痛と顎
中枢感作というのをご存知ですか?
「中枢感作」とは、末梢組織での損傷や炎症などの刺激が長期間続くと、正常な伝達が中枢で誤って解釈され「痛み」として感じられるようになることを言います。
中枢神経系において痛みの閾値が下がった状態であり、脳の中枢が、痛みの信号の感度を大きくする機能を持っていることを示しています。
特に、顎関節症、線維筋痛症、慢性疲労性症候群、原発性月経困難症、過敏性大腸炎では、痛みの感度の増大が起こることが報告されています。
慢性痛
慢性の腰痛も組織の損傷とは関係のないことがあります。
手術をしても腰痛が治らない場合などです。中枢が痛みに過敏になっていて、正常なら痛みとは感じられない持続的な刺激を痛みと感じてしまうのです。
痛みを感じた結果、末梢の組織の緊張から身体の歪みも生じていまい、血行も悪くなりさらに痛みを引き起こしてしまうのです。
顎関節症の痛み
さて、顎関節症の痛みです。
食いしばりなどで‥顎関節の異常、左右にずれた開口の癖などにより、下顎の側方運動や突出の作用がある外側翼突筋などの緊張が生じます。
この点、外側翼突筋は他の咀嚼筋と違って筋の伸長を感知する筋紡錘が少なく、これは本筋の筋緊張が自動的に調整され難いことを意味しています。
咬み合わせの異常など→外側翼突筋の持続的緊張→外側翼突筋は顎関節付近に付着するので関節の痛みにつながることも考えられます。
また、頭蓋の感覚神経も運動神経は脳神経支配なので、過敏が顎だけで無く全身の過敏に繋がり、全身の筋緊張につながり身体の歪みも生じてしまいます。
頭蓋部で唯一大きく動く顎関節とそれを動かす咀嚼筋のパワーバランスを整えることで、本人も気付いていない筋の緊張をと癖を取り、ひいては全身の歪みも改善して行けるのです。